会社の仲間と身の回りのディドロ効果について話しをしていました。
この記事は、その話しの内容を記事にしてみました。
ガチャガチャ(ガシャポン)をひとつ買ったら、ついつい2回目、3回目と回してしまう。
あなたはそんな経験ありませんか?
ほんとうに「1回だけ・・・」
と決めて挑んだガチャガチャ。ついつい何回も何回も百円玉を投入してしまいます。
幼少期はお小遣いが決められていたので、強制的に終了していましたが、大人になった今は、コンプリートするまで、永遠とガチャガチャに投入してしまいます・・・
わたしのことです。
さて、今回は、「人は揃(そろ)えたくなる」という心理、「ディドロ効果」というものについて、触れていきます。
WEBマーケティングへの応用も可能なので、ブログで集客をして、サイトへ訪れたお客様に最初に何を買って貰い、リピートしてもらうのか。というビジネスデザインに役立つと思います。
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ディドロ効果とは
ディドロ効果とは、
「ひとつ買ったらつい、ほかのものも揃えたくなる心理」
のことです。
あなたのお気に入りメーカー家具(IKEAの家具と仮定して)のソファーを購入したとします。
そしたら、その空間に置くダイニングテーブルや、ダイニングチェア、ほかにもダイニングクロスや食器などなど、様々なアイテムをそのメーカーで統一したくなりますよね。
わたしも IKEA にいくと、ついつい揃えたくなって色々買ってしまいます。
プラスチックのカラーコップだけを購入するつもりが、プラスチック食器と、プラスチックナイフ & フォークも買っていました・・・
と言った具合に、揃えてものを欲しくなる心理のことを「ディドロ効果」と呼びます。
所有物や環境などを統一させようとする行動心理のことですね。
さて、このディドロ効果、冒頭ではわたし自身の経験談をお話しさせてもらいましたが、あなたの身の回りでも、まさにこの効果を利用したビジネスが成り立っています。
課金制のスマホアプリ
身近な例で言うと、スマホアプリはその筆頭であると考えます。
[timeline][tl label=’STEP.1′ title=’まずは、無料でユーザーを引きつけ、楽しませる。’]広告や、アプリランキングから、無料のアプリを目にすることから始まります。[/tl][tl label=’STEP.2′ title=’ひたすら楽しませる。’] ストレス無く、楽しんで貰う為に、初回登録者には、クリスタルやらジェムと呼ばれるガチャをする為に必要な、ゲーム内コインを無料でたくさん配る。 [/tl][tl label=’STEP.3′ title=’それでも、ゲームの進行に滞りがでてくる。’]ストレスが生まれる。
ストレスが生まれている所に、今なら「1000円分で2000円分」もらえるキャンペーンが始まる。
[/tl][tl label=’初購入(第一の壁を突破)’ title=’1000円ならいいかぁ。と考え課金する。’] 課金したタイミングで第一の壁を突破したことになる。第一防波堤は決壊しています。しかしなかなかお目当てのキャラクターが出てこない。
ストレス・・・
ストレス・・・
お目当てのキャラクターがガチャで出た!
ストレスがカタルシスへと変わる瞬間です。[/tl][tl label=’そしてリピートへ・・・’ title=’時期に合わせたコラボイベント。’]
大好きなアニメのキャラクターとコラボイベントを実施中。
1枚は当たりが出た。
もう1枚でコンプリートなのに・・・
揃えたい。という欲求、および、以前すでに「課金(購入)したことがある」ということで、第一防波堤はすでに決壊していることにより、2回目以降の課金の敷居は低くなっている状態。
以前1000円使ってるから、今回も一緒でしょ。という心理から、もう1000円、さらに、1000円。とコンプリートするまで課金する。
[/tl][/timeline]この状態は、超優良リピーターですよね。
ゲーム提供会社からすると、願ったりかなったりの状況です。
が、この状況になるようにと、設計されているのです。
ビジネスデザインがしっかりなされている状態と言えるでしょう。
無料で遊んでいる内はいいのですが、1度課金をして珍しいアイテムやキャラを手に入れると、その水準に合わせようと次々と課金してしまい、結果、数万円もつぎ込んでしまった、という方が意外と多いのが課金ゲームの怖いところ。
これはまさに「ディドロ効果」によるものです。
アプリ課金以外にも、
Nike+ Run Clubというジョギングのコーチを音声で促してくれる、無料アプリがあります。
その無料アプリを利用してジョギングを始めた人がNIKEグッズで身を固め、NIKEに関する情報を好むようになったりすることも同じ心理作用です。
なぜ、ディドロ効果が起こるのか?
なぜ人は、統一感を求めるのでしょうか?
人にはもともと、一貫性を持たせて行動を取ろうとする性質があり、それを好みます。
これを『一貫性の原理』と呼びます。
「統一感を持たせたい・・・」というディドロ効果は「一貫した行動を取りたい」と願う、原理が働いた結果と言えるでしょう。
「新しいモノをひとつ受け入れたんだから、他のモノについても受け入れなければ気持ちが悪い・・・」
という心理が働くのですね。
一貫性の原理とは?
「自分の態度・発言・行動などに一貫性を持たせたい」
という、多くの人が持っている心理的な「傾向性」です。
「一貫性」という言葉は
「始めから終わりまで矛盾の無い状態である事」を意味しますので、「態度・発言・行動などに一貫性がある状態」というのはつまり、
・言っていることや態度が毎回変わることが無い
・前言った事と今言ってる事が矛盾しない
・前やってた事と今やってる事が矛盾しない
といった状態を指します。
揃えたい心理は自己表現
「ガチャをコンプリートしたい」という所有欲や購買意欲そのものが、ひとつの自己表現であるとも考えられます。
人は自分がどんな人間なのかを、持ち物や身の回りの環境によって表現しています。
きっとあなたも好きなものに囲まれることで、心地よさを感じるのではないでしょうか。
わたしは、アディダスの服に全身を包まれている時が幸せです。
上下セットアップのアディダスのジャケット・パンツなんか最高です。
つまりは、アイデンティティーを表現するために、統一感のあるモノを揃えようとするんですね。
これは無意識でしている場合もあります。
リピーターを生むためのWEBマーケティングへの応用
ディドロ効果をマーケティングに応用すれば、ファンやリピーターをつくる商品販売をすることができます。
わりと一般的ではありますが、その方法はセットやシリーズで商品を見せることです。
- 大塚家具やIKEAといった大型家具店の部屋毎のセットになったインテリア展示
- アパレル業界ECサイトの、セットアップコーディネートの写真
- シルバニアファミリーやフィギュアなどが、一式セットで陳列
- ガチャガチャはシリーズとして販売することで、思わず揃えたくなるようにしている
消費者はセットであることを認識することで、そのうちのひとつを買えばディドロ効果が手伝って、揃えたくなる心理が働きやすくなるんですね。
ディドロ効果をつくるには
揃えたくなる心理を働かせるためには、お客さんのディドロ効果を働かせるようにします。
例えば、シリーズのひとつを格安、または無料でプレゼントします。
お客さんが商品を手にして新しい価値を気に入ってくれれば、その他のシリーズもディドロ効果で「揃えたい」という心理が働きやすくなります。
ということは、まずは「入口商品」を作ることですよね。
「なんだ、そうなことかぁ。」と思いましたよね?
これは昔ならがらの手法なので、あなたもご存じだったと思います。
ディドロ効果は〇〇に気を付けなければ必ず失敗します。
「入口商品」は本来、フロントエンド商品と呼びます。
これは、昔ながらの通販でよく使われていた言葉です。
「フロントエンド商品」は利幅が低くて、その後に買ってもらう「バックエンド商品」で利益を稼ぐ、という仕組みです。
このことも、このメディアを見ているあなたなら、すでに知っていることと思います。
これらはセットで設計しますよね。
- サプリメントの「3か月無料トライアル」
- Amazonプライムビデオなどで配信されているドラマの「第一話 無料視聴キャンペーン」
- デアゴスティーニの「初回半額」
などが有名ですね。
スマホのゲームアプリでも、アバターの装備を無料プレゼントしていますよね。
「今なら〇〇貰える!」みたいなものをテレビのCMで見たことがあると思います。
一部「だけ」が豪華になることで、その他がショボいと感じて揃えたくなります。
失敗する例
格安の「フロントエンド商品」を作ると、ほんとによ~く売れます。
そんなお客様をわたし達はたくさん見てきました。
それまでどんなに工夫してもピクリとも売れなかった店が、どんどん売れるようになっていきました。
リピーターも増えて、売上がどんどん上がっていきます。
仕事も楽しくなります。
盛り上がります。
これはいける!WEBいける!安売りするなだって?いやいや、安売りすれば売れるじゃん!
・・・
しかし。なにかがおかしい。
とあるお花屋さんを例にあげると、「フロントエンド商品は売れる」が「普通の商品が売れない」
そして「フロントエンド商品ばかりがリピートされている」
考えてみると当たり前の話です。
お客さんは、3本立ちミディ胡蝶蘭を半額で買うと満足します。
「安い」という理由で、また買ってくれるでしょう。
「じゃあ次は正規の値段(倍額)で買いませんか?」と言われると、、
お客さまの答えは「NO!」となるのです。
安いから買ってあげてたのに、2倍も値上げされて、 損した気分にさえなることでしょう。
「入口商品」がうまくいく条件
そもそも、「フロントエンド商品」の設計が成り立つには、一定の条件があります。
いくつかありますが、たとえば「続けないと意味がない商品」であること。
髪の毛が元気になるサプリを7日間無料で試して「続けられそう」と思っても、お試しの7日間では絶対に髪の毛は増えませんよね。
そんなサプリがあったらいくらでもお金を払いますよね。
話が逸れましたが、サプリメントは続けないと意味がありません。
ネット配信ドラマも同様です。
第一話だけ見て面白くても、最後まで見ないと話しが全くわかりません。
化粧品も同様です。
肌質が良くなった・・けど、続けないと効果が無くなってしまいます。
続けないと意味がないから、リピートするんです。
このように、初回を安くすればリピートしてくれる、という安直なものではなく、全体を見越した設計が必要です。
「儲からない入口商品」だけが売れている状態は「成功」とは言えませんよね。
しかしながらこれをやっている方が意外と多いのです。
利益の出る商品が売れてこそ成功です。
そのために大切なのが「バックエンド商品」や、そこに繋ぐ「オファー」や「セールスレター」の設計です。
全体を見越した設計がないと、(主観ですが)大抵失敗します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ディドロ効果とは、身の回りを「自分の理想的な商品」で統一させたいと感じる心理作用のことです。
人が本質的に持っている、一貫性の原理が働くために起こります。
ディドロ効果をマーケティングに応用すれば、商品をセットやシリーズにすることで、統一させたい心理が働きやすくなります。
商品のクオリティが高ければ、リピーターやファンが生まれやすくなる販売方法でもあります。
ビジネスを展開する際には、お客さんにどんな価値観を提案するのかを含めて商品開発をしてみてくださいね。
もちろん、「WEBで売る」ときにも役立ちます。
ブログで集客をして、サイトに訪れたお客様にフロントエンド商品を購入して貰い、どのようにしてリピートしてもらうのか?
ディドロ効果を意識した設計をしてみると、良い方向に舵を切れると思います。ぜひ、意識してみてくださいね。